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松山ケンイチさんインタビュー(2)
セリフをそのまま読むだけだと、風太郎が(人を騙す)天才っぽくなっちゃうんです。
――台本の中で、印象に残っているセリフはありますか?
2話まででいうと、「貧乏人は幸せになんかなれないんだよ」っていうストレートな言葉や、緑(ミムラ)と茜(木南晴夏)の関係について風太郎が言った、「暗い場所から見ると・・・太陽はまぶしいんですよ。で、まぶしいと目を背けちゃうんだ、人間は」っていう言葉が印象的でしたね。必ず1話にひとつ以上入っている、風太郎独特の言葉がすごく重いし、強い言葉だなっていうのを毎回感じています。
――本心を人に見せない風太郎を演じるにあたっての難しさは?
セリフをそのまま読むだけだと、どうしても風太郎が(人を騙す)天才っぽくなっちゃうんです。演じている僕自身、風太郎は天才じゃないと思っていますから、それは避けたいし、むしろ彼の場合は必死に考えをめぐらせている部分があるので、そういう必死さっていうのは常に出したいなと思ってるんですけど・・・これがまた難しいんですよ(笑)。やっぱり、ウソっぽく必死さを出して「これだったら周りにバレるでしょ」っていうのもイヤなので、そこのギリギリのところをできたらいいなと。だから慎重にやっていかなきゃいけないと思っています。

――第1話には現実の社会でも話題となっている派遣切りのエピソードが登場しますが、松山さんご自身は、今の格差社会についてどのように考えていますか?
正直いうと、これまで格差社会というものを考えたことはほとんどありませんでした。その一番の理由は、その格差によって自分が損害を受けるとか、ダメージを受けることがなかったからです。でも、今回このドラマをやるにあたって、そういったことの実情を少しでも知りたいと思って、ネットで調べたんです。格差というのは差別とちょっと似ているような気がするんですけど、昔でいう士農工商もひとつの格差ですよね。つまり、昔からずっとあるものなんだっていうこと。学歴社会から実力主義に移り変わったといわれる今の世の中で、最近は勉強しなくても、できさえすればいいんだっていう発想が少なからずありますよね、僕にもありますし。もちろん、その一方で一生懸命勉強している人もいますけど、そういう風に世の中の考え方が変わることによって、格差も小さくなったり大きくなったりするものなんだっていうことが分かったんです。その中で、僕が特にそれを理由にイヤな目にあったことがなかったのは幸せなことだと思いますけど、だからといって、僕がこの作品で貧困や格差を解決できるわけではありません。ただ、意識のうえで何かを変えることができるんじゃないか、まず格差というものの存在を知ってもらう。それが、今の僕の目標であり、テーマでもあるような気がするので、この作品でそういうところを感じてもらえたらうれしいです。

