秋の新ドラマガイド

小西さんへ直撃インタビュー!(2)

リアルな現場の空気を大事にしたいですね

――小西さんご自身はどうやって息抜きしますか?

私もどちらかというと、休みがないことに対して不満を抱くタイプではないので、ひとつの作品を作って、それを見てくれる人がいたら満足です。もちろん、やり遂げた後に大きなお休みがあったらいいなぁとは思いますけど、撮影の期間はそこに集中するタイプなので、その段階で息抜きとかはあまり考えないですね。現場にいることが楽しいからかもしれないですけど・・・・・・。そういうところは宇宙に似てるかも?(笑)

――ホームドラマやラブストーリーに比べて、医療ドラマの大変なところはどこですか?

やっぱり医療用語を覚えるのが大変です。台本に書かれていることは細かく「どういう意味ですか」とか、「こういうことを言われるとどういう状況になるんですか」と先生に確認します。すごく大変なことを言われたのか、お医者さんならよく聞くことなのか、単語だけでなく重要性やニュアンスまで理解しないと、緊迫感が全く伝わらなくなってしまいますから。でも、そういう言葉以外の部分は、ホームドラマやラブストーリーと同じ。見ている人が元気になってくれることがすごく大事です。でも今回は、もっと大きいことを考えるなら、先生たちの気持ちが救われたり、お母さんたちが何かを考えるきっかけになったり、医療に携わる人たちの考えが変わったりと、医療現場や制度など社会に何かしらのいい影響を与えられれば・・・という願いを込めていますね。

小西真奈美

――医療ドラマは比較的、医師がひとりの患者さんと向き合う姿を入念に描く場合が多いですが、今回のドラマはとにかく患者さんが次から次へとやってきますよね?

今回のドラマでは、根本にリアルさを追求したいということがあるんです。小児科って、とにかく毎日たくさんの子供が来て、たくさんの問題があって、その中でみんなバタバタしながらも立ち向かっていく世界なので、1日の中でひとりの患者さんにずっと付きっきりということはほとんどありません。不満を抱えながらも気持ちを整理しつつ、緊急の子が来たら一致団結して向かうという、リアルな現場の空気を大事にしたいと思っているんです。

――小西さんご自身が気になる医療事件はありますか?

ドラマに入る前から小児科の現状や医師不足の問題は気になっていたのですが、撮影中に産婦人科の‘たらい回し’と呼ばれる問題や、小児科の医師が過酷な現場を苦にして自らの命を絶つという事件が起きました。ただ報道を見ているだけの頃は、なぜ病院は対応できないんだろうとか、どうして先生はこんなことをしてしまうんだろうと、感情の矛先がすべてお医者さんや病院に向いていたんです。でも今は先生たちのギリギリの状況もわかるので、助けたいのにどうすることもできず苦渋の選択をしたのかもしれない、誰かを受け入れることで目の前にいる人を助けられなかったのかもしれない。また、帰れるはずの先生が帰れなければそのせいで家族を失ってしまうかもしれないと、ニュースの見方や感じ方が変わってきましたね。

――小児科のいちばん大変なところはどこだと思いますか?

相手が大人であれば、症状を聞いて、処置や処方を説明して、患者さんに選ぶ権利を与えられますし、相談もできますよね。でも小児科の場合は、患者である子供は症状がきちんと伝えられないし、同時にお母さんもパニックになっている場合が多い。だからまずお母さんも安心させて、なおかつ納得もしてもらい、そのうえで子供の病気を見つけなくてはいけない。なのに見落とせば医療ミスになってしまいますから、ケアの要素はほかの科より多く、先生たちひとりひとりにかかる負担もすごく大きいと思いますね。