
まず警察は全国47都道府県の警察本部を指揮・監督する‘警察庁’と東京都の警察を管轄する‘警視庁’に別れていることを知らねばならない。この‘警視庁’の「警視総監」が階級制度の最も高い階級となるわけだ。しかし、階級制度にはないが、さらに上に君臨するのが‘警察庁’の「警察庁長官」となる。 |
黒木哲也(丹波哲郎)
今は亡き昭和の大俳優、丹波哲郎といえば、黒木哲也=Gメンのボスと覚えている人も多いだろう。元々は警視だったが「Gメン'82」では警視正となり、最後にはノンキャリアながら警察庁長官にまで登りつめている。ちなみに警察庁長官は警察官の階級制度において最上位の警視総監よりもさらに高い最高位の警察官だ。刑事ドラマでも叩き上げでココまで登り詰めた刑事はおそらくいないだろう。 |

ほぼキャリア、準キャリアで占められており大規模な警察署の署長などを務めている。また警視庁の参事官なども「警視正」。 |
室井慎次(柳葉敏郎)
東北大学卒業のキャリア組である室井慎次。刑事ドラマ史上、最も役職を転々とし、階級を覚えるのが困難な刑事であろう。テレビシリーズでは管理官(警視)だったが、様々な役職につき、後に警視正に。「~THE MOVIE」では警視庁刑事部参事官(警視正)になるも再び警視に戻る。スピンオフ映画「容疑者 室井慎次」では警察庁と警視庁の間で警察庁長官をめぐる争いに巻き込まれた。室井も「階級は会議室で決めるもんじゃない!現場で決めるんだ」と言いたかったかもしれない。
*その他の「警視正」
「特捜最前線」神代恭介(二谷英明)、「こちら本池上署」椎名啓介(高嶋政伸)、「踊る大捜査線」神田署長(北村総一朗)、「ケータイ刑事」シリーズの各ヒロインなど |

キャリアになると25~26歳で昇進。ノンキャリアだと早くても40歳ぐらいにならないとなれない階級だ。警察署の署長のほか、管理官なども「警視」である。 |
小暮謙三(石原裕次郎)
事件を解決すると就業中もブランデーで祝杯をあげるという今では考えられない行動をしていた小暮謙三。キャリア官僚として入庁したが、西部署に赴任し、大門軍団をたばねていた。一見、とても偉そうに見えるが、実は階級でいうと警視である。そのため「踊る大捜査線」の真下正義(ユースケ・サンタマリア)と変わらない。また石原は「太陽にほえろ!」の藤堂俊介役では一介の警部であった。このときのボスは意外と階級が低かったのである。
*その他の「警視」
「その男、副署長」池永清美(船越英一郎)、「リモート」氷室光三郎(堂本光一)、「はみだし刑事情熱系」根岸玲子(風吹ジュン)、「踊る大捜査線」秋山副署長(斎藤暁)など |

キャリアは採用から1年以内に自動的に昇進。ノンキャリアの警部補は昇任試験に受からないと「警部」にはなれない。 |
大澤絵里子(天海祐希)
最近では最も人気のある刑事ドラマだった「BOSS」の主人公、大澤絵里子。FBIで研修を受け、警視庁捜査一課の特別犯罪対策室の室長に就任した警部だ。行動もさることながら、考え方もエレガント。たまにボケる可愛らしさを見せ天海ワールドを展開していた。ちなみに「相棒」の杉下右京(水谷豊)も同じく警部である。
*その他の「警部」
「太陽にほえろ!」ボス・藤堂俊介(石原裕次郎)、「刑事捜査一課9係」加納倫太郎(渡瀬恒彦)、「踊る大捜査線」袴田健吾(小野武彦)、「SP」尾形総一郎(堤真一)、「ルパン三世」銭形平次など |

国家公務員Ⅰ種試験合格者であるキャリアは採用後、この「警部補」からスタートとなる。つまりキャリアというのは、とってもお得なのだ。もちろん、ノンキャリアは巡査部長から昇進試験をパスしなければ「警部補」にはなれない。 |
古畑任三郎(田村正和)
警視庁捜査一課の刑事で階級は警部補。ドラマでは最初に犯人の犯行を見せ、これを古畑が巧みな話術でトリックを解いていく「刑事コロンボ」方式がとられていた。とにかくしつこく、いやらしく、犯人にとっては最もイヤな刑事の1人である。これだけ事件を解決しても警部補止まりというのは刑事ドラマ界の七不思議。もしくは本人に昇級する気がないかのどちらかであろう。また「交渉人~THE NEGOTIATOR~」の宇佐木玲子(米倉涼子)、「外事警察」の住本健司(渡部篤郎)も警部補である。
雪平夏見(篠原涼子)
警視庁刑事部捜査一課殺人犯捜査四係主任の警部補。古畑任三郎と同じ階級だが、全く銃を使わない古畑とは対照的に銃の腕は抜群。無茶なことはするも検挙率はナンバー1を誇る女刑事だ。これまで女刑事で連ドラから映画化された作品は「スケバン刑事」や「ケータイ刑事」などがあるが、ここまで本格的刑事作品はないであろう。階級は警部補だが、相棒にでさえ常に厳しい態度をとる夏見。ただし全裸で寝る習性があり、それを見られても気にしない性格である。
*その他の「警部補」
「太陽にほえろ!」山さん(露口茂)、「ケイゾク」柴田純(中谷美紀)、「ショカツ」羽村斗馬(松岡昌宏[TOKIO])、「刑事部屋」仙道晴見(柴田恭兵)、「ハンチョウ~神南署安積班~」安積剛志(佐々木蔵之介)など |

巡査が昇進試験に合格して初めてひとつ階級が上がるのが「巡査部長」。国家公務員Ⅱ種試験合格者、いわゆる準キャリアはここからがスタートとなる。役職は主任。 |
青島俊作(織田裕二)
サラリーマンから刑事ドラマの刑事にあこがれ転職。警視庁湾岸警察署刑事課強行班係の巡査部長である。口癖は「都知事と同じ名前の青島です」で、このとき名刺を渡すのはサラリーマン時代の癖。官僚主義を嫌い、室井慎次が昇進して現場で正しい行動ができることをひたすら願っている。
*その他の「警視正」
「相棒」亀山薫(寺脇康文)、「SP」井上薫(岡田准一)、「はぐれ刑事純情派」安浦吉之助(藤田まこと)、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」大原大次郎(伊武雅刀)など |

警察官採用試験で採用された警察官=ノンキャリアが最初になるのが「巡査」である。10年たっても巡査部長になれない場合、「巡査長」という役名が与えられるが、階級には存在しない役名だ。 |
鷹山敏樹(舘ひろし)
通称‘タカ’‘ダンディ鷹山’などと呼ばれる横浜湾警察署の巡査長。犯人を捕まえるときはシリアスだが、普段はユーモアたっぷりのコメディキャラ。しかもバイクに乗ってショットガンをぶっぱなすなど、当時の無茶な刑事ドラマを体現した作品だった。今こんなことをすれば、たとえドラマでも非難ごうごうであろう。これだけスゴイ武装をしていても階級は一番下の巡査と変わらず。
大下勇次(柴田恭兵)
通称‘ユージ’‘セクシー大下’と呼ばれる横浜湾警察署の巡査長。タカとコンビを組む刑事である。タカに負けず劣らずなシリアス&コメディキャラ。銃撃戦では身の軽いフットワークを見せ、とにかくかっこよかった。彼らほど強くて面白い刑事キャラは類をみない。「はみだし刑事純情系」で柴田が高見兵吾を演じたときは巡査部長だったので「あぶない刑事」のユージよりも階級は上。さらに刑事ドラマのモデルといわれている実在の人物、平塚八兵衛を描いたスペシャルドラマ「刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史」では警部補の加山新蔵役でさらに階級を上げたのである。
*その他の「巡査」
「太陽にほえろ!」ゴリさん(竜雷太)、ジーパン(松田優作)、「噂の刑事トミーとマツ」トミー(国広富之)、マツ(松崎しげる)、「古畑任三郎」今泉慎太郎(西村雅彦)、「警視庁捜査一課9係」浅輪直樹(井ノ原快彦)など |

麻宮サキ(斉藤由貴)
「またの名をスケバン刑事!」という決めゼリフで一世を風靡した麻宮サキは女子高生の刑事である。この初代を演じたのが斉藤由貴で「スケバン刑事Ⅱ少女鉄火面伝説」では南野陽子、「スケバン刑事Ⅲ少女忍法帖伝奇」では浅香唯、大西結花、中村由真が風間三姉妹を演じ、話題となった。いずれも女子高生刑事であるが、階級は不明。映画版では松浦亜弥が4代目麻宮サキを襲名。最近では「メイド刑事」で若槻葵(福田沙紀)が登場したが、このような階級もない不思議な設定は「ケータイ刑事」シリーズを含め、なぜか女性主人公の場合が多いようである。女子高生が刑事というギャップがウケるのかもしれない。 |