職場で使える!お互いを活かす上下関係のススメ

相手を不快にさせず、自分の意見を通すビジネス術を富田隆先生に聞く!

2つのポイントをきっちりおさえよう(2)

人材を育てるには部下を褒めよ!

よく、褒めることと叱ることをセットにして考える人がいますが、それは間違い。叱って伸ばすなどというのは大きな勘違いで、基本的に人間は褒めなければ育ちません。また、「今日の君のネクタイいいね」などとおだてることと、褒めることもまた違います。おだてるのは、相手の行動を活性化させ、積極性を引っ張り出すのが目的。褒めるのは、その人の実力を引き出し、その人がいい仕事をしていい人間関係を作り、立派なビジネスマンになってもらうのが目的です。ただ、褒めて伸ばすためには、相手をきちんと見て、どのポイントで褒めるのか、どこを評価するのか、そしてタイミングよく褒めなければ、褒めたことにはなりません。ときには「あのときは頑張ったね、ずいぶん大変だっただろう」と過去にさかのぼるって褒めることも必要です。そうすることで、相手はそのときのことを思い出し、自らのやり方を再確認したり、再び頑張る気持ちが沸いてくるからです。

では、叱るのは何のためかというと、無駄なことや失敗につながる危険なことを防ぎ、試行錯誤しながら自らの選択肢を増やし、適用的な技を身につけてもらうためです。決して叱ってはいけないわけではないですし、その必要性も十分あります。しかし、そもそも褒めることと叱ることでは目的が違います。ですから、「こないだは叱ったから今日は褒めよう」などと、この2つを使い分けることは大きな間違い。人を育てるベースは、まず‘褒める’ことにあると考えましょう。

富田隆プロフィール

富田隆

1949年生まれ
東京都出身。
駒沢女子大学人文学部教授。
心理学者として、数々のテレビ番組やラジオに出演。

わたしのまわりの心理学

富田隆監修『わたしのまわりの心理学』(編著者:造事務所/監修:富田隆/価格:¥1300+税/発売元:大和書房)など著書も多数。