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TVコラム

ダンカンの真空管TV

2008年11月17日更新

Vol.96
え~っ!? サリーっていったい誰? ありえない舞台に固まってきたのだ

 芝居をやっていると者と話をすると、その多くの者が、芝居の途中で頭が真っ白になり、セリフが一切出なくなってしまい、舞台でボウ然と立ちつくしている自分。という悪夢を見るそうなのだ。

 これは、聞くところによれば、小劇場の演者から、大物役者さんまで共通した不安であるらしい・・・。

 勿論、俺自身も、そんな夢は過去に2度3度では済まず、ガバッと布団をはねのけて目覚めた時には、全身汗でグッショリという状況を何度となく経験しているのだ。

 ならば『君子危うきに近寄らず』で、芝居なんてやらなければ? という声もあろう・・・。

 おっしゃる通り!! そーなんだよねえ。ぶっちゃけた話、芝居は驚く程、お金にならないしねぇ・・・。

 でも、決して止められないだろうと思う。あの誘惑はどこから生まれるのだろう?

 舞台の袖で出番を待っている時は、喉はカラカラ、胸はバクバク「ひゃ~いきなりセリフが出なかったらどーしようドキドキ・・・」という重圧に押しつぶされそうな自分と、「よし! いい芝居して客を引きつけちまうぜ!!」という強欲な自分が綱引きをしているのだ。

 でも、それが快感というか・・・清く正しい(?)正式な演者の姿だと思うのです。

 ところが、先日、そーいう演者独特の緊張感を一切持たない人間を目にしたのだ。

 その人こそ、ゴムパッチンでお笑い界を沸かせた、元ユートピアのホープ師匠(城後光義)なのである。

 先日、新宿のシアターミラクルで、ラサール石井氏演出の『老コメディアン物語~とりあえず夢・・・~』で共演したのだが、芝居の一番山場でストリッパーの名前「リリー!!」と叫ぶ場面で(その前に、何度もリリーの名は出ている)何を思ったか?「サリー!!」と絶叫したのだった。

 師匠以外、全員演者が瞬間固まったのだ。

 あんな経験は後にも先にも(今後、あれ程のミスをする人は出現しないと思う)初めてなのだ。ちなみに、師匠の言い分としては、頭の中で『リ』に何故か横棒の『―』を加えて『サ』になっちゃったんだよね??? ということなのだが、意味分かんねーよ!?

 そんな苦労を背越いながら芝居はまだ続く・・・。今度は11月27日(土)~30日(日)新宿村スタジオで東京サギまがい第26回公演『YOU』をやります。俺は脚本と演出での参加なのだ。是非ご覧下さい!!

ダンカンの真空管TV

ダンカン

ダンカン
1959(昭和34)年、埼玉県生まれ。落語家を志し、立川流に入門するも、その後TVの世界へ。ビートたけしの下で、たけし軍団の一員として活躍する。タレントとしての活躍に加えて、’98年には映画「生きない」で脚本・主演。’05年「七人の弔」では監督にも挑戦し、高い評価を得る。ほか、執筆や構成作家としても活躍中。大の阪神タイガースファンとしても知られている。
公式HP http://www008.upp.so-net.ne.jp/dankan/