テレビの魅力を再発見!
TVコラム

ダンカンの真空管TV

2009年4月20日更新

Vol.118
たぶん1回だけのドラマ入門講座その(1)
シーンとカット割り

 今回は毛色を変えて、ドラマ(映画も含め)の演出、特にカット割りについての基本知識をお教えしたいと思うのだ。

 皆さんが普段何気に見えているテレビドラマの1シーン、例えば刑事が容疑者の写真を持って、事件関係者から事情を探るシーンがあるとします。そのシーン自体が放送で1分だとしても、その中に実に20カット以上ものカットがあったりするのを知ってますか?

ダンカンの真空管TV

 ひいたカメラで2人の立ち位置を見せるカット、刑事だと名乗るカット、刑事の肩なめ(背中を少しだけ画面の前に入れて、相手の顔などを撮る)カット、差し出した容疑者の顔写真のアップ(この差し出す位置の微妙なズレの為時には、そのカットだけで4・5回テークすることもあります)、勿論、相手の表情を見た刑事の顔、会話のきりかえしカットなどなどそりゃもう細かいものなのです。

 それを、監督(演出家)は、あらかじめ『割本』(テレビドラマに使われることが多い)に書き込んでおくのです。2S(2ショット)からパーン、(カメラを振ること)ズーム(寄ったりすること等)ドリー(レールなどを敷い、その上にカメラを乗せ、歩いている人と並んで撮影すること等)他にもフカンやらシャッターするなど色々な用語があり、それを撮影部、照明部、録音部にあらかじめこういう狙いのカットだからと伝えておくためです。

 この監督のカット割りを元に、ドライ(役者の動きの段取り)後に、「カット12と13はつなげてそのままいけちゃうね」などと最終確認して、テスト、本番へと突入していくのです。

 そして、セットでの収録の時には、スタジオに5・6台のカメラがあり、何カットかを続けて撮り(スイッチングでカメラを切り換えます)。チェックオーケーもしくは、「もう1本下さい」(もう1テーク)という運びとなるのです。

 ロケや映画となると、1カメということが多く、ひとつのカットごとにカメラ位置を動かして撮るのです。こうして、時には1分のシーンに2時間以上なんてこともあります。

 時には、ドラマを見ながら「あっ、カット変わった」なんていう見方も楽しいかも知れません? ということで俺が刑事役で出演している『アイシテル~海容~』(日本テレビ系水曜夜10時放送)を御覧下さい。小学生が小学生の命を奪うという物語は重いですが、その奥にあるテーマは、考えさせられます・・・。

ダンカン

ダンカン
1959(昭和34)年、埼玉県生まれ。落語家を志し、立川流に入門するも、その後TVの世界へ。ビートたけしの下で、たけし軍団の一員として活躍する。タレントとしての活躍に加えて、’98年には映画「生きない」で脚本・主演。’05年「七人の弔」では監督にも挑戦し、高い評価を得る。ほか、執筆や構成作家としても活躍中。大の阪神タイガースファンとしても知られている。
公式HP http://www008.upp.so-net.ne.jp/dankan/